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もしかしたら円の価値が落ち始めているんじゃね?円高にならない理由が怖いわけ。

[記事公開日]2018/12/02
[最終更新日]2018/12/03

もしかしたら円の価値が落ち始めているんじゃね?円高にならない理由が怖いわけ。

今年は中国を始めとした新興国市場の株式市場が軟調でした、しかし今年後半に入り10年近く絶好調だった米国株もやや軟調になっています。

そんな中、なかなか調整しない市場がいくつかあります。

それは日本円とREIT市場。

特に日本円は低金利にも関わらず円高になりません。

その理由を調べていくうちにちょっと怖いことになっていましたのでブログで紹介します。

それではどうぞ。

低金利の円が上昇しない

このところ円ドル相場は110円あたりを界に円高になる局面がとても少ないボックス圏相場となっています。

この5年のチャート

特にここ数年の変動率の低さは目立ちます。

日米のインフレ率

ここで日本と米国の最新のインフレ率を見てみます。

日本 1.4%

米国 2.5%

このように米国の方が1%ほど高くなっています。

為替の世界では金利の高い国の通貨は安くなると言われている。

よく金利の高い国の通貨で外貨貯金をするとお得になるように言われています。

「日本は金利ゼロだけど◯◯国は金利5%だから得」

しかし現実はこれほど単純ではありません。

金利の高い国は同時にインフレ率も高く通貨が下落する可能性が高いからです。

銀行の貯金が5%でもインフレ率が10%だとその国の通貨はインフレ分だけ安くなる。

これを金利裁定説と言います。

また物価差から通貨の価値を計る「購買力平価説」などもあります。

このような考えから金利の低い国は長期的に高い国より通貨が強くなると言われています。

それが長期に起こったのが円相場でした。

しかし最近、いくつかの指数で注目すべきことが起こっています。

名目指数と実質指数

経済の指数には名目・・・つまり見た目の指数と実質・・・実際の指数というものがあります。

先ほど言ったように金利が高くてもインフレ率が金利以上に高ければ実質金利はマイナスとなります。

反対に金利が低くてもインフレ率が低いorマイナスだと実質金利はプラスとなります。

このように経済や投資は名目ではなく実質の指数や利回りを見なくてはなりません。

表面利回りに惑わされないようにしましょう。

それでは日本と米国の実質金利はいくらなのでしょうか?

代表的な金利として10年国債の利回りを見てみましょう。

日本  0.08%

米国  3.02%

つまり日本円で10年国債を買っても0.08%の金しかありませんが米国では3%の金利もあります。

ここで注意事項がありましたよね。

金利は名目の表面利回りだけでなくインフレ率を含めた実質利回りに注目しなくてはならないと。

それではインフレ率を引いた実質利回りをみてみましょう

日本

国債利回り0.08%-インフレ率1.4%=実質利回り-1,32%

米国

国債利回り3.2%-インフレ率2.5%=実質利回り+0.5%

ここで驚くべきことが起こっています。

今まで日本はデフレでインフレ率の低い国と思われていたのですが実質利回りを計算すると-1.3%と言う数字になりました。

債券の実質利回りがマイナスとは

債券の実質利回りがマイナスとは何かですが10年国債の利回りはその国の貸し出し金利や貯金の基準となります。

大体銀行の定期貯金はこの金利より低くなります。

これはつまり

日本では銀行に貯金していると確実に円の価値が目減りしていく

つまり

日本はインフレの国になっている。

それも米国よりかなり高い。

これは意図的に行なっているのかたまたまにそうなっているのか私はプロではないので説明できません。

ただ私はeMaxis日本債券インデックス投資信託と言う商品に投資をしてい流のですが、今年の夏頃日本の10年国債の利回りが0.05%から0.15%ぐらいに一気に上がる時がありました。それでもたった0.1%ですが。

その時債券投信は珍しく1%ほど大幅に下落しました。

ちょっと乱暴な計算ですか、この時の下落から計算すると10年国債の金利が0.1%上昇すると債券価格が1%下落することになります。つまり金利が1%上昇すると10%投資信託が下落することになる。

もし米国並に金利からインフレ率を引いた実質金利を+0.5%にするなら国債利回りを1.9%にしなくてはなりません。

これはすなわち債券価格を19%、2割近く下落させることになります。

日本としてはインフレ率が上がっても国債利回りを上げていくのは難しい局面が続くのかもしれません、しかし実は日銀としては実質1%ずつ円の価値が下落していく今の相場は狙っている可能性もありますね。

実質金利がマイナスとなっている日本

米国の方がインフレ率が高く見えますが実質金利で見ると日本の方が高くなっています。

また日本はデフレがずっと続いたため何となく物価の上昇しない国と思ってしまいますが、今の段階で1.4%のインフレ率となっています。

意外とインフレの高い国となっています。

つまり実質インフレ率が米国より日本の方が高い。

もしこれがずっと続くようだと円は長期的に下落をしていくことになります。

その前い債券の金利が上昇して債券価格が下げる可能性もあります。

ただし円高の可能性もある

そうは言っても私は円高の可能性がないとは考えていません。

相場にはボラティリティがあり上下どちらにも動く可能性は十分あります。

円安だけに掛けるのはリスクがあると思います。

インフレ率が高いのは一時的のことでまたデフレになる可能性もないとは言えません。

投資をしていれば通貨の分散も可能

やはりお金は世界中の株式などに投資をするのが一番簡単でリスク分散になると思います。

私は金を含めたレイダリオ式のポートフォリオを組んでいます。

まとめ あまり悲観的にならずもリスク分散は忘れずに

円の価値が落ちると言うとすぐ円の暴落など極端に言う人がいますが、私は実際起こるとしたら年間数%のインフレが数十年続くダラダラインフレになりその間円資産が目減りしていくのではないかと考えています。

あまり悲観的にならず、もし円が長期的に値下げりしている時代に入っていると感じるならお金だけでなく生き方もリスク分散していくように心がけていけば十分対応できると思います。

それにしても日本のインフレ率は結構高いんですよね。驚きです。

それでは

参考サイト tradingeconomics

 

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