2024/09/14
私のツイッターのコメントで高配当ETFとしてQYLDが出てきました。
YouTubeなのでも最近、高配当ETFとしてQYLDが出てくるのですが、本当に高配当ETFでお得なのか紹介したいと思います。
それではどうぞ
高配当株ETF「QYLD」
毎月分配型 ETFで年間利回り10%を超える超高配当ETFとして一部で注目をされてるETF。
毎月毎月、安定的に年利にして10%の配当が出るなら大変お得に感じるETFですが、私個人的には全くお得に思えません。
なぜ、このETFがお得に感じないのでしょうか?
QYLDの投資戦略
QYLDはナスダックに連動するQQQに投資をしてQQQのコールオプションを同時に売る投資法です。
これは原資産(株式、債券、通貨など)を保有しつつ、コールオプションを売る投資法でカバードコール戦略と言われます。
カバードコール戦略はオプションを活用する投資で説明が難しいので下のサイト先で理解してください。
間違えていけないのはこの高配当の源は株式の配当ではありません。
コールオプションを売った手数料が高配当の源です。
(一応原資産の配当も利回りになるのですがQQQの配当利回りは大変低い)
コールオプションを売った手数料だけで年間10%もの配当が確実にもらえるのでしょうか?
そんな美味しい話があるのでしょうか?
簡単な例をとって説明をしたいと思います。
QYLDのカバードコール戦略とは
カバードコール戦略とは原資産を保有しつつコールオプションを同時に売る投資法と説明しました、
QYLDはQQQを保有しつつQQQのコールオプションを売る投資をしています。
ここで簡単な例で説明したいと思います。
例
QQQの値段が10,000円、1ヶ月後のコールオプションの値段を100円とします。
ここでのオールオプションとは1ヶ月後に1万円でQQQを購入する権利です。
その権利を100円で私が売ったとします。
ここで1ヶ月後にQQQを1万円で購入できる権利を私はAさんに売りました。
重要なことはこの権利はAさんが持っています。権利を行使する自由はAさんにありますが、権利を売った私はAさんの権利を必ず履行しなくてはなりません。つまり義務です。Aさんの権利行使なんて認めないよーとは言えません。
Aさん=権利を更新する自由がある。この場合、1ヶ月後にQQQを1万円で購入するかしないかは自由です。
私=Aさんの権利は必ず履行しなくてはなりません。
ここで1ヶ月後の株価がどうなったかによって利益が異なります。
(Aさんはあくまで架空の人物です)
1ヶ月後QQQの株価が9,900円〜10,100円の場合
QQQの価格がこの範囲の場合、オプションを持っているAさんは権利を行使するとQQQを1万円で購入できるので-100円〜+100円の売買差益となります。
株価が10000円を割るとAさんは権利を行使すると損をするので行使をしません。
つまりAさんの最大損失は100円までとなります。
私は100円で売っているのでオプションの利益100円が儲けとなります。
つまり売買益100円-QQQの差益となり、0円〜100円の利益となります。
1ヶ月後QQQの株価が10%上昇して11,000円になった場合
QQQが急上昇して1ヶ月後には11,000円になりました。
Aさんは10000円でQQQを購入できる権利を持っているので喜んで行使しました。
権利を売った私は必ずAさんの権利を履行しなくてはなりません。
つまり10000円でQQQを売らなくてはならないのでオプション料100円を除いた900円の損です。
しかし、私はQQQに投資をしているのでいくら値上がりして値上がり分の損失はありません。
つまり、QQQがいくら値上がりしても100円の利益となります。
1ヶ月後のQQQの株価が10%下落して9,000円になった場合
今度は反対に株式市場が不調でQQQが暴落してしまいました、
Aさんは10,000円でQQQを購入する権利を持っているのですが、市場で購入すれば9,000円で買えるので権利を行使しませんでした。
Aさんは権利を行使しなかったのでオプションを売った手数料100円が私の利益です。
しかし所有しているQQQが9,000円まで下落したので
オプションの手数料100円-下落1000円=-900円の損です。
ここまで説明して気づきましたか?
そうです!この投資法は
どんなに儲けてもオプションの手数料まで、損失はオプションの手数料を引いたQQQの下落分です。
(正確にはオプション価格以内の上昇ならオプション価格+QQQの値上がり+QQQの配当となります。)
つまり利益限定ですが、損失はQQQとほぼ同じ(正確にはオプションの手数料分損失は低い)
これは果たして得なのでしょうか?。
そもそもQQQとは
QQQとはNASDAQ100指数に連動する今をときめく米国の成長株に投資するETFです。
ETFの魅力である成長を捨ててオプション料を受け取る投資法に魅力を感じるでしょうか?
しかも値下がりのリスクだけはしっかりある(オプションの手数料分は低い)
過去のQQQとQYLDのリターン
過去5年間のリターンです。
QQQ +193%
QYLD -8.99%
5年前にそれぞれ10000円を投資をすると
QQQはおよそ29300円
QYLDはおよそ9,000円です。
仮に毎年10%の配当があったとしても税別で5,000円プラスして14,000円です。
QQQとほぼ同等のリスクを負ってリターンは半分もありません。
実際は毎月分配金で毎回税金を払わなくてはならないのでリターンはもっと低いです。
QQQが上昇している間はリスクが見えにくいが・・・・
何度も言いますがカバードコール戦略は
投資先の原資産に対して
利益は限定(オプション料)、損失は原資産とほぼ同様(オプション料分だけ低い)
QQQが値下がりを始めたら全く儲からない魅力のない商品となります。
実際にはQQQの配当もあり、オプション価格も例えほど単純な料金ではありません。
相場が不安定になるとオプション価格が上昇するので手数料収入が増えることが多いでしょう。
ただし、この投資戦略がQQQに対して合理的でしょか?
下落時にQQQとほぼ同じリスクを取るなら単純に
QQQに投資をして毎年10%分自分で売却をしていけばいいと思います。
QYLDは仕組み債券と同じ
OYLDの投資法は証券会社で利回りが高い債券として売り出している仕組み債券とほぼ同じです。
QYLDは米国高配当ETFとは違う
YouTubeなどで高配当株ETFと同列に紹介されていますが・・・
全く違います。
高配当株ETFは株式の配当から利益ができますが、QYLDの配当はオプション料からです。
QYLDのチャート
QQQと比べるとずっとヨコヨコな感じがしてしまうのでQYLDのチャートのみ表示します。
コロナショック後にQQQと同様に下がっていますが、今だにコロナショック前を回復していません。
投資先のQQQは底値から2倍以上上昇しているのに・・・・
また、5年間でチャートがゆっくり右肩下がりになっています。
原資産のQQQは爆上げしているのに・・・・
これは謎です、なぜでしょうか?・・・・私は頭が悪いのでなぜQQQが絶好調なのにチャートがもっと上がらないのかよくわかりません。
間違っているかもしれないのですが、アホな私が推測すると考えられるのは
- 隠れコストが極めて大きい
- 毎月分配をしなくてはならなず、オプション料だけでは高配当が維持できずタコ足配当をしている
- 急回復してもオプション料しかリターンのない投資に値しない商品w
このくらいしかわかりません。
つまり、この商品には見えないが極めて大きなリスクが隠れている可能性があります。
こんなに投資先であるQQQが絶好調にも関わらずチャートが上がらないのは不自然です。
もしQQQが下がり始めたら・・・・ぞっとしませんか?
まとめ
QYLDがだめな商品とまでは言いませんが、
私には
自分の知らないリスクが隠れている可能性がある。
ETFの手数料は会社公表で0.6%と言われているが(これでも大変高い)実はもっと高い可能性がある。
仕組み債券とどこが違うの?
など、魅力を感じないので投資するかしないかと言われれば
しないですね。
QQQに投資をして配当10%分取り崩していった方がずっといいと思います。
まぁ次の10年はeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)でしょうけど(笑)
今回はQYLDについて説明しました。
久しぶりの商品説明だったので間違っているところが多い可能性があるので最終的にはご自身で判断してください。
それでは。
コメント
高配当株ETF「QYLD」もそうですが、よくわからない金融商品が増えましたね。
例えばレバナス(レバレッジ+ナスダック)は短期投機商品です。日々の騰落率の2倍の値動きを目指して設計されており、その商品特性上、上げ下げを繰り返すだけでNAVは逓減していきます。
例えば現指数が次の通り動いた場合、
10000→9000(-10.0%)→10000(+11.1%)
レバナスのNAVは設計通りに運用できたとして、
10000→8000(-20.0%)→9776(+22.2%)
となり、現指数が元に戻ってもレバナスのNAVは減価します。
長期保有するとこの逓減の影響を大きく受けるため、レバナスは長期投資としては不向きな商品です。投資はほぼ素人の自分ですら理解できることを短期で儲けたい人は見えていないような気がします。靴磨きの少年の時期なのかもしれませんね。
by 訪問者。 2022年2月5日 22:50
本来ETFは指数に連動するインデックス商品だと思うのですが、後発の企業は参入余地がもうないんだろうと思います。
グルーバルX社がSP500に連動するETF発売しても誰も買わないと思うし・・・
レバレッジをかけたETFやオプションを使うQYLDなどはETFではなくて金融派生商品だと思います。
個人的には資産形成のメインになるものではないと思うし・・・そもそもマーケットが大幅に下落した時に下落に耐えられる商品か不透明なところがあるので、おすすめはしないですね。
新しい金融商品がたくさん出てくる時って大体上昇相場の最後の頃になるのでやはり注意が必要だと思います。
コメントありがとうございます。
by cub 2022年2月6日 10:24