
皆さんも老後が不安です。
だって、誰も経験したことがないんですがら(リアル老人は除く)
老後のお金の最大の不安は労働収入が途切れること。
そんな不安を取り除く方法の一つを紹介しているのが
内藤忍氏の最新作「60歳から毎月20万円入る術」です。
あぁあああああああ、俺もちゃりんちゃりんビジネスが欲しい。
それでは、どうぞ。
60歳から毎月20万円入る術とは
内藤氏が唱える60歳から毎月20万円入る術とは、東京で2,000万円の中古のワンルームマンションを3戸所有してその家賃収入で生活していこうという投資術です。
内藤氏はインデックス投信に投資することをコツコツ投資
そして
家賃収入を得ることはちゃりんちゃりん投資と言って勧めています。
40歳からワンルームマンションに投資を始めて60歳で借金の完済、家賃収入というちゃりんちゃりん収入を得て老後を豊かに暮らそう!・・・楽しそう〜
ちゃりんちゃりん収入は素敵ですねぇ〜
この本を読んだ感想
自分は到底無理なやり方だなぁという感想です。
第6章に
資産金別・期間月アクションプランという資産形成のプランが紹介されているのですが
ケース1に資産ゼロで20年の3戸のワンルームを手に入れるプラン、要するにフルローンを勧めている。
一戸目を1990万で借金して家賃が月75,000円、当然それだけでは借金の返済が追いつかないので自己返済105,000円行います。毎月18万円返済で11年目に完済。
2戸目を11年目に購入、家賃15万円に自己返済21万円、毎月36万円の返済
3戸目を16年目に購入、家賃22.5万円に自己返済22万円 毎月44.5万円の返済
20年目で借金完済でめでたくちゃりんちゃりん収入が始まりますw
ローン金利が1.5%
家賃収入が管理費等覗いて1戸、月75,000円(実質利回り3.75%)
一体どのような人がこのような返済プラン行うのか不明。
これ以外にも頭金500万プラン・1000万プラン・3000万プランがあるのですが
どれも老後の安心どころか現役時代に心配事が増えるだけの投資法だと思いましたね。
そもそも返済にこれだけ回せる人は所得の高い人です。
きっと企業年金も完備していることでしょう。
なぜここまで高いリスクを負ってまでちゃりんちゃりん収入が必要なのでしょうか?
この辺の説明が全くなされていません。
ケース1の毎月の返済金をすべて貯金に回しても
11年間毎月105,000円 次の5年間21万円 残りの4年間22万円
金利ゼロでも20年間で3702万円貯金できることになります。
本書で紹介しているパターンはおそらく最も成功する返済プランでしょうが、ワンルームマンションが20年間途切れることなく家賃収入があるなど、発展を続ける東京といえども可能なのでしょうか?
そもそも購入した時点で中古であるワンルームマンションが20年後も安定的に収入を得ることが可能なのでしょうか?
ローン返済中は何がなんでもローンの返済を続けなければなりません。
投資先の様々なリスクだけでなく、労働収入のリスクもあります。
失業やご自身の病気や家族のリスクなど。
そこまで負ってまでやらなければならない投資だとは到底思えませんね。
これは、投資のリテラシーのない人向けの商品ですから真似をしない方がいいです。
都心のワンルームマンション3つで分散投資になるのか?どうしても不動産に投資をしたいのならもっといい方法があります。
内藤さんは資産運用コンサルタントとして、自身の生活を維持するには高い収入が必要でしょう。
上記のような手数料の取りやすいリアル不動産を勧めるでしょうが、私はそんなにお金が必要ありません、ですからもっと実践的で合理的な投資法をアドバイスします。
REIT投資はいかがでしょうか?
都心のワンルームマンションを1戸2,000万円で借金して3つ所有するとのことですが、諸経費を払った家賃収入が1戸、家賃月75,000円と紹介されてます。
利回りは3.75%です。
この程度の利回りなら日本のREITでも十分可能です。
それに今のREITはマンションやオフィスの家賃収入だけでなく、老人ホーム・物流施設・ショッピングセンターなど様々な物件に投資をしています。
例)
- (3460)ジャパン・シニアリビング投資法人 利回り4.8% ヘルスケア施設
- (3466)ラサールロジポート投資法人 利回り4.7% 物流施設
- (3453)ケネディクス商業リート投資法人 利回り 4.9% 商業施設
- (3463)いちごホテルリート投資法人 利回り4.2% ホテル施設
これ以外にも住居専門のREIT、オフィス専門のREIT、いろいろな賃貸物件に投資をする複合型のREITなどいろいろあります。
少なくともREITに投資をすれば様々な業態の物件に分散投資をして、面倒な物件管理も必要ありません。
それこそちゃりんちゃりんと寝ていても配当が入ってきます。
現在、日本のREIT自体の平均利回りがおよそ3.5%です。
ワンルームマンションの利回りとほぼ同じですw
紹介したREITはどれも4%の利回りを超えています。
返済額分を貯金してすべてをREITに分散投資をすればリスクも手間暇を掛けずに同じくらいのリターンを手にすることが可能です。
3700万円を3.5%の利回りで元本を崩して運用していけば月20万ずつ使っていっても22年は持ちます。
(税金などの手数料は除く単純なリターンの場合です)
この本のケース5では自己負担3000万円でワンルームマンションを3つ購入して毎月の返済額6万円と家賃22.5万円で10年で返済をするプランがあるのですが・・・
このくらいのリターンなら借金などしないでリードを購入したらいかがでしょうか?
3000万円をREITに投資をすれば年105万円の配当あり、税コストを無視して再投資をして毎月6万円を積み立てを行えば、4800万円ほどになります。
値下がりリスクがあるという人もいるでしょうが、このくらいのリターンを値下がりリスクなしで投資などできません。
少なくも借金をしたら長期の返済リスクをさらに取らなくてはなりません。
そもそも元本割れリスクなしのそんな美味しい話があるわけがないです。
借金をしていないのですから、投資先のリスク以外のリスクには柔軟に対応できるはずです。
お金が必要ならREITならすぐに売れますが、ワンルームマンションはすぐには売れません。
内藤氏が最近、言っているインカムゲイン重視ならREITをまず最初にオススメすべきですね。
ちなみに投資のリターンはインカムゲイン+キャピタルゲインのトータルリターンで判断すべきで、インカムゲインだけに注目する投資は間違っていると思います。
これは目先の分配金に目が眩み、トータルのリターンで判断をしないで投資をする毎月分配金投信と同じです。
日本のREITだけでは分散が不安なら
現在は世界の不動産に低コストで分散投資をすることが可能です。
- (1590)iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF 利回り4% コスト0.44%
- (1555)上場インデックスファンド豪州リート 利回り3.6% コスト0.45%
- (投資信託)三井住友DC先進国REIT コスト0.26%
- (投資信託)三井住友DC日本REIT コスト0.25%
- (投資信託)eMAXIS 新興国リートインデックス コスト0.6%
先進国から新興国まで複数国に投資が可能となっています、利回りも為替リスクがありますが4%を超えています。
ここまでくるなら結局、世界の株やREIT、債券に分散投資をするインデックスで十分だよね、ってことになるのですが(笑)
参考記事
- 楽天証券とSBI証券で発売開始。大和から超低コストインデックスファンド「iFree」シリーズ発売。驚きの低コストファンドの登場。
- 【iFreeシリーズ】9月8日より発売されたiFreeシリーズ8資産バランスファンドが積立NISAにぴったりな商品ではないかと思う。
老後の生活が不安なら投資よりローコストな生活を身につけるべきです。
老後が不安なら今の生活をまずは見直すべきです。
高すぎる生活が無謀な投資をして無理なリターンを目指すようになってしまうのです。
高コストな生活は高コストな金融商品と同じく破綻してしまう可能性が高い。
無理な生活が、しなくてもいい老後不安やしなくてもいい仕事をしなければならないのです・・・内藤氏のように。
老後が不安ならまずは今の生活を見直しましょう。
参考記事
フルローンの恐ろしさを竹下家の記事を読んで反面教師にするのも悪くありませんね。
参考記事
労働収入がなくなるのが不安なら現役時代にローコストで無駄な借金や高コストな生活を改める。
なぜ、わざわざ中年から借金をする必要があるのか?
ちょっとした副収入なら今の時代、無駄金を使う必要もありません。
参考記事
ブログやオークションなどで数万円の収入なら現役時代にバリバリ働いていた人なら十分可能ではないでしょうか?
そして、なにより正しいお金のリテラシーをつけることですね。
リテラシーなどそんなに難しことではありません。
まずは私のブログを毎日欠かせずに読むこと!
これで大幅いリテラシーがアップします。
そして、私がオススメしている本をいくつか読むこと
そして、少額でいいので、リスク資産に投資をして資産がマイナスになることを体感して経験することが大切だと思います。
オススメはネット証券
何度も言いますけど、この手の投資話に高額なお金を払う必要は一切ありません。
本当に美味しい話は内藤さんが独占しますからあなたには回ってこないのですから、残念〜。
この本も反面教師として読む分には面白いと思います。