2021/01/11

現在株式市場は絶好調で投資をしてる人のほとんど利益を上げている状態だと思います。
少なからず私もその一人です。
そんなハッピーな時期に市場の調整や暴落の話をするやつなど気にくわないと思われるでしょうが、リスクはある日突然訪れるものです。
そして、自分だけは大丈夫だと思いがちです。
もしもの時に資産が大幅に減ってしまう・・・最悪、資産そのものがなくなってしまう。そんなこともないとは言えません。
セミリタイアや資産形成をしている人はそのようなリスクに十分気をつけなくてはなりません。
投資をしてリターンを上げるにはリスクを取らなくてはなりません。
ノーリスク・ノーリターンです。
しかし、取る必要のないリスクもあります。
この記事は「Vulu」の記事向けに書いたのですが1月26日にコインチェックに大規模なハッキング事件が起こり仮想通貨向けに記事を変更しました。
日経より
Contents
仮想通貨投資で取ってはいけないリスクとは
一時期ネットで話題になったVALUを例にとり投資で取ってはいけないリスクを紹介します。
そもそもVALUとは株式会社の株のように個人がVALUという株のようなものを発行して売買する市場のようなサービスを提供する会社です。
ここで個人が欲しいVALUを購入したり売却したりできるところが大きな特徴。
私はこのサービスについては最初から懐疑的でしたが、早くも典型的な取ってはいけないリスクが沢山出てきたので紹介していきます。
その1 流動性リスク
投資をする上で流動性リスクの高い商品は購入してはいけません。
わかりやすく説明すると売りたい時や買いたい時に売買できない商品です。
VALUはどうなっているのでしょうか?
これはVALUのサービスが始まった時にいち早くサービスを宣伝していた有名な高知ブロガーのVALUです。
売りはありますが、買いは全くありません。
当時トップクラスの人気を誇っていた彼のVALUですら、流動性があるない以前にそもそも買いが全くありません。
これでは価格形成などできません。他の人も同じような状態です。
有名な女性ブロガーさんのVALU。
こちらは買い気配がありますが、売値の六分の一以下しかありません。
私も沢山チェックした訳ではありませんが、このように場が全くありません。
時価総額の大きい上記225人のVALUの時価総額を表した指数(個人で作られてようです。)
どんなに新しくて凄そうな金融サービスが出ても流動性のない商品には絶対に投資はしてはいけません。
もし資金が必要な時に換金することができない・・・そもそもマーケットがないので売り買いのスプレットがない。売却ができないことになります。
この流動性リスクですが仮想通貨にもそのまま当てはまります。
特に草コインなどの流動性の低い仮想通貨は短期間に大幅に値上がりすることがあり、魅力的に思えるでしょうが、このような上昇は流動性が少ない中、買いてだけが存在している時に起こる現象です。
それでは逆のことが起こったらどうなるでしょうか?
えっ!そんなことは絶対ない?
仮想通貨のほとんどは「Valu」と同じようにいずれ売りも買いも出来ない状態になると思いますよ。
その2 事業主の信用リスク
VALUは民間の企業が行なっています。収入はVALUの売買による手数料がほとんどのはずです。
それでは売買のない現状、企業はどこからサービスを得るのでしょうか?
みなさんは銀行が倒産した時、証券会社が倒産した時、自分が預けているお金、証券会社に預けている株券や投資信託はどうなるのは知っていますか?
これらは法的に厳しく分離・保護されています。
銀行の預金は「預金保険制度」で保護されていて、倒産時の1000万円と金利は保護される。
株式や投資信託は「分別保管」されている
万が一顧客資産が円滑に返還されない場合に備えて日本投資者保護基金があり1人当たり1,000万円までの資産を補償します
保険は「保険契約者保護機構」で保護される
FXは「全額信託保全」されています。
このように、銀行・証券・保険・FXは法的に個人投資家のお金が厳しく保護されている法律があります。
それでは「VALU」はどうなのでしょうか?
私はVALUのサービスが始まった時にVALUを発行した個人が死んだ時に価値がどうなるか心配する発言などがありましたが、
それより企業が倒産するリスクの方がずっと高いと思うのになぜ心配しないのか不思議に思っていました。
実績のない新しい金融サービスにあなたの大切な資産を預けることがどれだけリスクのあることかよく考えてください。
みんな金持ちだなぁと関心していましたよ。
これは「VALU」だけでなく、今は物凄く儲かっているビットコインの取引会社やソーシャルレンティングなども同様です。
あなたは出資先の投資リスクだけでなくお金を預けている事業主の信用リスクという二重のリスクを取っていることになります。
今は景気が良くてイケイケドンドンな状態で本当のリスクがどのくらいあるかわかりません。
本来なら投資先のリスクだけを考えていればいいものをお金を預けている先のリスクも考えなくてはいけないのは本来取る必要のないリスクです。
私は不景気を経験しているのでこの事業主リスクは最近投資を始めた人が考えている以上に大きいものと確信してお金を運用しています。
新しい金融サービスを提供している会社は個人資産の分離保護は各企業の努力目標で法的に徹底されている訳ではありません。
人は他人のお金なんてこれっぽちも大切にしない
このことは頭に叩き込んで新しい金融サービスに投資をしたい人は投資をやりましょう。
コインチェックで今回起こった事件がこの企業の信用リスク問題です。
まだ全ての問題が表に出ていないのでなんとも言えないのですが、一つ確実に言えることは
顧客の資産分別管理を法的に行なっていない業界は個別に企業が行なっていると宣伝していても企業が倒産したらお金はほぼ戻ってきません。
コインチェックの社員なんだこれ
こんな大学生のサークルの延長みたいな会社に大金預けるほうがどうかしてるわ pic.twitter.com/eiNtccflqp— もりちゃん (@KAWAI_0108) 2018年1月26日
そしてもう一度言います。
人は他人のお金なんてこれっぽちも大切にしない
大切なことなので頭にこの言葉は叩き込んでおきましょう。
またコインチェックは価値のある企業だ、どこかが買収して復活するから大丈夫だ
などと都合のいい考えに思いを馳せるのはいいですが、
甘い考えを持っていると二次被害に会う可能性がありますから気をつけましょう。
一緒にコインチェックを救いましょう、そのためのICOを行いますから出資してください、などこれから起きると思います。
はっきり言います。
コインチェックに預けたお金はほとんど戻ってきません。
厳しいですがこれが現実です。
その3 課税リスク
VALUやビットコインの利益はほとんどが雑所得になります。
これは累進課税で住民税を含めて最大55%になるだけでなく、国民健康保険料も同じように所得に応じて保険料が増えていく計算になります。
損失も単年度で雑所得内でしかできないはずです。
課税リスクでもう一つ気をつけつことは
経済的に税金が払えてくて自己破産しても税金の滞納分が無くなることはないことです。
これ意外に知られていないようですが、税金は自己破産しようが無くなることはありません。
それくらい税金取り立ては厳しいのです。
仮想通貨で利益を上げたら翌年の納税分は必ず別の口座に分けて置くようにしましょう。
もし納税分のお金をコインチェックに預けていたら・・・・・・・
もう一生税金のために働く人生になります。
正直、税金滞納はとても厳しいと思って挑みましょうね。
仮想通貨の税制は証券の税制に比べると遥かに不利な税制です。
証券は特定口座で運用すればどんなに利益が上がっても最大20%、国民健康保険料も上がりません。損失も他の所得から最大三年間合算できます。
それだけでなく、最近はNISAやiDeCOなど利益が非課税になる口座もあります。
税コストは長期的に投資信託の信託報酬と同様に確実にリターンを下げるコストです。
このコストが証券に比べてとても不利な設定になっています。
これは忘れがちですが利益を上げている時だけでなく損をしている時も同様です。
その4 海外口座は利用しては絶対ダメ!
これは新たに付け加えました。
私はびっくりしたのですが仮想通貨をやっている人はとても安易に海外口座を勧めたり利用したりしていますが
絶対にやめましょう!
昔もFXの海外口座を開設するブームがありましたがほとんどがいい加減なところでいざ出金しようとすると出来ない利益が送金出来ない突然潰れるなどロクなものはありませんでした。
仮想通貨の海外取引所も所詮その程度です。
あなたが「仮想通貨は違う」と思うなら、それはカモにされている証拠です。
本当にこれそう思う。私も同じことツイートしてるけど全く気にしてないみたいだね。まぁ地獄を見ればいいと思う。 https://t.co/JzesiKgdT5
— 台湾太郎 (@cub_nomad) 2018年1月20日
仮想通貨を始め、新しい金融サービスは「流動性リスク」×「事業主の信用シスク」×「課税リスク」と取ってはいけないリスクの三重奏となっています。
このような金融商品は本来投資をしてはいけないし資産形成に不適切な金融商品です。
もちろん、それらのリスクをわかっていてそれでも投資をするのは自由です。
仮想通貨は投資ではなく投機・ギャンブルです。
甘い言葉でいかにも投資のような行為に見せかけますが所詮投機です。
投機とわかって投資をするならどのくらいの資金を突っ込んでいいのか
投機・ギャンブルと割り切って投資をするのならどのくらいん資金を仮想通貨に回していいか今回は話をします。
私も実はギャンブル自体は結構好きで、昔は(1990年代ですが)パチンコによく行っていたし現在はマカオへよく行きます。
そしてトータルでは負けたことがありません。
大した金額ではないですしあくまでトータルですよ。日々は勝ったり負けたりしています。
カジノの世界ではポーカーやブラックジャックなどで勝つ少数のプロの人々がいます。
彼らの考えにバンクロール(資金管理)という考えがあって、一回の勝負はバンクロールの1%以下にするという勝負師のルールがあります。
つまり一回1000円のブラックジャックをするならその100倍、最低10万円を持って勝負をする。
実際はこれでもリスクが高くてプロの中には0.25%〜0.5%ぐらいで勝負をする。
このくらいなら運が悪くて負け続けて勝負資金が無くなることもほぼないと言われています。
つまり投機資金は総資金の1%以下
このくらいなら仮想通貨に投資してもいいと思います。
自己資金が100万円なら1万円以下
1000万円なら10万円以下、1億円なら100万円以下。
投資も投機も勝てる人はこのくらい資金管理を徹底しているものなのです。
自己資金を全て仮想通貨投資をしたりするのはただのギャンブル依存症です。
だって仮想通貨はギャンブルなのですから。
100万円の自己資金を持っているのならその1%1万円を仮想通貨なり草コインなりに投資して運がよければ100倍ダメならゼロぐらいに考えて投資をすればいいのです。
私は仮想通貨は今の水準でも高すぎると思うので投資はしませんけどね。
まぁ、高値から百分の一ぐらいになってから考えます。
まとめ
景気拡大の最終局面になると毎回出てくる「凄い金融商品」を例にとりながら取ってはいけないリスクについて記事にしました。
リターンが欲しければリスクを取るのは当たり前です。
しかし取る必要のないリスクもあります。この記事で書いることが取る必要のないリスクです。
取る必要のないリスクをリスクを取るべきだと変に煽られても取る必要などありません。
これらを紹介している人たちのカモにならないようにも正しい投資の知識を得て資産形成をしていきましょう。
それでは!
仮想通貨の技術的なことを勉強して投資をするより私が紹介している本を最低限読んでから投資を始めた方が結局上手く行くと思いますよ。