
今年はコロナショックで大荒れの株式市場でしたが、この大荒れにもびくともしないで乗り越えたポートフォリオがあります。
それがレイダリオ氏が提唱している「オールシーズンズポートフォリオ」。
株式・長期債券・金に分散したポートフォリオはコロナショックを乗り越えて大幅なリターンを今年も上げています。
コロナショックを乗り越えたオールシーズンズポートフォリオ」
数年前から注目していたレイダリオ氏提唱のポートフォリオですが、コロナショックでも十分すぎるほどのリスク分散とリターンを上げています。
この12年のリターンと今年のリターンです。
商品は次の3つです。
ETF | 概要 | オールシーズンズポートフォリオ | S&P500 |
IVV | 米国S&P500 | 50% | 100% |
EDV | 20年以上の米国割引き債券 | 45% | |
IAU | 金 | 5% |
2008年から2020年6月までのリターン
各年のリターン
ポートフォリオのリスクとリターン
PF | リターン | リスク | 最大上昇率(年間) | 最大下落率(年間) | 最大下落率 |
ポートフォリオ1 | 11.16% | 10.88% | 26.78% | -3.85% | -18.72% |
ポートフォリオ2 | 9.01% | 15.63% | 32.30% | -32.81% | -46.18% |
リーマンショック後、世界で最もリターンを上げた米国S&P500の年平均リターン9%を上回る年11%を上げています。
注目すべきところは下落率が低いことです。
年間で最も下落した年の下落率が-4%、それに対してS&P500は-33%と大幅に下落。マックス下落も-18%に対して-46%と下落時に大変強いポートフォリオとなっています。
下落に強いポートフォリオが特徴
2020年1月から6月までのリスクとリターン
それでは今年のリスクとリターンを確認します。
比較商品
ETF | 概要 | ポートフォリオ1 | ポートフォリオ2 | ポートフォリオ3 |
S&P500 | 米国S&P500連動 | 50% | 100% | |
EDV | 20年以上の米国割引き債券 | 45% | ||
IAU | 金 | 5% | ||
RPAR | レイダリオ氏のオールシーズンズ戦略を取り入れたリスクパリティETF | 100% |
RPARについてはこちらの記事を参考に
2020年1月から6月までの月ごとのリスクとリターン
今年半期のリスクとリターン
PR | リターン | リスク | 最大下落率 |
ポートフォリオ1 | 12.02% | 10.68% | -1.35% |
ポートフォリオ2 | -3.20% | -3.20% | -19.56% |
ポートフォリオ3 | 5.68% | 13.60% | -6.48% |
コロナショックの暴落から急上昇した米国株式市場ですがまだ今年からはマイナス圏となっています。
しかしオールシーズンズポートフォリオはどちらもすでにプラス圏となっています。
特にポートフォリオ1(株50%・長期債券45%・金5%)+12%と大幅なプラス。
特に注目すべきはコロナショックの暴落月2月・3月の下落がとても小さいことです。
IVVが-8%・-12%に対して-0.17%・-1.2%とほぼ下落をしていません。
コロナショックの暴落にも強かった!!
このように最近は小難しいことを言っているレイダリオ氏ですが、彼の提唱しているオールシーズンポートフォリオをとても有効な戦略であることが証明されています。
下落に強い理由
最大の理由は米国長期債圏が株式とほぼ反対の動きをしながらリターンが米国株とほぼ同じほど上げてきたからです。
どちらもこの10年のリターン年平均8%以上あった。
米国長期債圏が今後もこのように好調なリターンを上げる保証はありませんが、コロナショックでも株が下落すると長期債券が上昇するとリスクを抑えた動きをしたのでポートフォリオに長期債券を含める戦略は有効だと考えられます。
オールシーズンズポートフォリオのデメリット
最大のデメリットは長期債券がインフレに大変弱いことです。
現在、米国を初め世界各国は巨額の財政ファイナンスをしているため将来、インフレリスク・財政への不安が言われ始めています。
もしインフレが起こるようなことがあればこのPFはリターンが大幅に下がる懸念があります。
ただし、個人的にはそれを含めて長期債へ投資をしてもいいのではと考えています。
このような財政不安は当然各国の中央銀行も考えているだろうし、それを含めて財政拡大をし、将来のインフレ懸念を入れて今の債券の価格になっていることになっているのですから、急激なインフレになることは少ないのではないかと考えています。
ネットレベルの煽り投資家が破綻破綻と言うでしょうが、その辺は冷静に考えていきたい。
まとめ
今年になってマメにオールシーズンズポートフォリオに関してブロフで更新していますが、やはり暴落に強いポートフォリオであるこが今回のコロナショックでも証明されました。
今後は3ヶ月に一回ぐらい定点観測としてブログで更新していきたいと考えています。
それでは!
コメント
はじめまして。
私は近々に投資を始めようと色々情報収集をしていて、「オールシーズンズ」で検索をかけたところ、こちらにたどり着いた者です。
こちらとは別の某投資系サイトで様々なポートフォリオのシミュレーションデータを拝見したところ、一般的な個人投資家にとって常識的な年利5%前後で最も低リスクのものは、どれもオールシーズンズに近いものばかりでした。
債券50%前後とゴールドを入れてる方が多かったです。
株式中心に私が組んだポートフォリオは年利が5%前後とそう変わらないのに、リスクは債券中心のものの3倍以上でしたので再考するいいきっかけになりました。
オールシーズンズや債券投資に関する情報は意外に少なく、こちらのブログの情報がとても役に立ちました。
ありがとうございます。
by 折り鶴 2020年8月17日 15:09
オールシーズン的なポートフォリオはもっと注目されても良いと思うのですが、あまり注目されていないですね。
今回のコロナショックの暴落でも長期債券を持っていればマイナスどころかプラスになるポートフォリオとなっています。
ただし、長期的なインフレになった時と円高が起こった時にパフォーマンスがどうなるかがリスクになりますね。
コメントありがとうございました。
by cub 2020年8月18日 08:31