
2018年12月に入り米国市場も軟調に移行、IVV ・iShares S&P 500 ETFも8.86%の下落、年間下落も4.47%と年ベースで2008年のリーマンショく以来の10年振りのマイナスとなっています。
そんな中、私が基本としているポートフォリオ「オールシーズンポートフォリオ」は2018年後半に入り本領を発揮しています。
金・長期債・株式の3つというシンプルなPFでありながら次の暴落にも対応できるのか、今回は12月の相場の急落からみていきたいと思います。
株式・長期債・金の3つからなる全天候型PF「オールシーズンPF」
レイダリオ氏が提唱している経済には4つの季節があり、それぞれに対応した商品で運用をすれば低リスクで運用できるという考え方です。
詳しくはこちらの記事を
ティッカー | 銘柄 | 手数料 |
---|---|---|
IVV | iシェアーズ S&P 500 ETF | 0.04% |
TLT | iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF | 0.15% |
IAU | iシェアーズ ゴールド トラストETF | 0.25% |
このポートフォリオの特徴は一つ一つの商品のリスクは高いが経済環境(季節)の違う時に大きく動くことが多く、そのため、リスクの波を打ち消し結果的にリスクが小さくなると言われているポートフォリオです。
レイダリオの唱える四つの季節
季節 | 概要 | 対応商品 |
---|---|---|
経済成長 | 想定成長より高い | IVV IAU |
経済停滞 | 想定成長より低い | TLT |
インフレ | 想定インフレ率より高い | IAU |
デフレ | 想定インフレ率より低い | IVV TLT |
紹介するPF
紹介するPFは
- S&P 500:45%
- TLT: 45%
- IAU : 10%
2018年のリターン
月 | PF | IVV | TLT | IAU |
---|---|---|---|---|
1月 | 1.42% | 5.69% | -3.26% | 3.28% |
2月 | -3.29% | -3.80% | -3.04% | -2.01% |
3月 | 0.14% | -2.47% | 2.86% | 0.55% |
4月 | -0.85% | 0.35% | -2.09% | -0.86% |
5月 | 1.85% | 2.41% | 2.01% | -1.27% |
6月 | 0.20% | 0.59% | 0.65% | -3.53% |
7月 | 0.88% | 3.75% | -1.44% | -2.33% |
8月 | 1.92% | 3.23% | 1.31% | -2.04% |
9月 | -1.02% | 0.54% | -2.86% | -0.61% |
10月 | -4.39% | -6.82% | -2.93% | 2.10% |
11月 | 1.71% | 1.92% | 1.79% | 0.34% |
12月 | -1.29% | -8.86% | 5.85% | 4.95% |
年間 | -2.91% | -4.47% | -1.61% | -1.76% |
月のアセットごとのリターンを見ると相場が不安定になった年末は株式が下落していますが、反対に長期債や金が上昇をしています。
特に金は長い間低迷していましたが今年後半から上昇を始めています。
今のところ
オールシーズンポートフォリオは有効な分散投資法となっています。
2005年以降で年間のマイナスは3回
年 | PF | IVV | TLT | IAU |
---|---|---|---|---|
2008年 | -0.88% | -37.02% | 33.93% | 5.11% |
2015年 | -1.28% | 1.30% | -1.79% | -10.58% |
2018年 | -2.91% | -4.47% | -1.61% | -1.76% |
(商品のデータが2008年までしか入手できないのでこの年からとなっています)
2008年はリーマンショックの年です。IVVが-37%と暴落する中、PFは-0.88%とほぼトントンとなっています。
一番大きな原因は株式が暴落する中、長期債が34%と暴騰しているからです。
また2018年のPFのリターンは-2.91%とリーマンショックを上回っています。
去年は現金以外のアセットはマイナスだったと下落率は別にしても結構厳しい年だったからです。
こちらは過去11年分のそれぞれのアセットクラスの年間リターンのマトリックスですが、こちらも同じ結果を示していて、今年ほど何に投資しても儲からない年はなかったことを見せています。極めて珍しいです。リーマンショックの時は米国債とゴールドは儲かっていましたからね。 pic.twitter.com/pOaNnhDyrX
— エミン ユルマズ (JACK) (@yurumazu) 2018年12月28日
それでも年末にかけて長期債・金が上昇しているため株式よりマイナスが小さくなっています。
今のところ、今回の株式市場の下落局面でもこのポートフォリオは有効となっているのは間違い無いようです。
ただし将来も必ず有効とは限らないことは頭に入れてください。
最大の注意点
このポートフォリオの最大の注意点は、リターンはあくまでドル建てであるということです。
我々日本人にとっては急激な円高になる可能性があること。
リーマンショックは株式の暴落と超円高が同時にやってきて円建てのリターンがダブルダメージとなりました。
2019年現在は大幅な円高は起きていません・・ただし未来はわかりませんが。
そしてもう一つ
円建ての長期債ETFや投信が無いことです。
インデックス指数には「NIKKO-BPI 総合 超長期 15年以上」があるようですがまだこの指数に連動した商品はありません。
長期債とNOMURA-BPIの過去のリターン
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 | 30年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
NOMURA-BPI | 0.3% | 1.3% | 1.6% | 2% | 1.8% | 1.8% | 3.2% |
NIKKO-BPI 総合 超長期 15年以上 | 12.9% | 8.5% | 7.5% | 5% | 4% | 5.3% | なし |
日本でもあえてリスクの高い超長期債に投資するリスク分散法は有効だと思いますね。
是非長期債連動指数に連動した低コスト商品を出して欲しいです。
まとめ
相場が急落したと思ったら急騰するなどボラティリティが上がり不安定な市場が続いています。
そんな中、今回もオールシーズンポートフォリオは株式市場の急落に伴い、金利低下で長期債の上昇と金の上昇となり金・長期債・株式の分散投資は有効となっています。
日本だと円建ての長期債が無いのが残念ですがここは債券投信や貯金や10年変動国債で運用していけばいいと思います。
円建て長期債が登場したら投資を開始。
オールシーズンポートフォリオの分散投資は今のところ上手く機能していると思います。
今後も追跡調査&私自身の運用報告をお楽しみに!
オールシーズンポートフォリオに関する本
また株式などリターンの高い商品は必ず非課税口座で運用をするようにしてください。
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参考記事
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- 【最新版】投資を始めるには正しい本をまずは読みましょう。お勧めの投資本を紹介します。