
今月に入る不安定な相場が続いている株式市場。
去年のさざ波のようなボラティリティが今年に入り暴風雨のような高波が増えてきています。
長期的に見れば株式市場のリターンがあらゆるアセットより高いのだから株式100%が一番。
いやいや米国株こそ世界ナンバーワン市場なのだから米国株100%が一番。
いやーイヤー、米国ハイテク株こそ世界最強、FANG株の一点投資をするのが一番。
そんなリスクを顧みない個人投資家が頭を抱る相場になってきました。
(・・・と言っても米国市場は高値から-10%、暴落している新興国市場も高値から-25%と過去の暴落に比べたらまだまだだと思うが・・・)
そんな迷える子羊たちに今回はオススメのポートフォリオを紹介したいと思う。
レイ・ダリオ推薦の雨にも負けず風にも負けなず
全天候型ポートフォリオ「オールウェザーポートフォリオ」です。
Contents
全天候型ポートフォリオの紹介
全天候型ポートフォリオの考え方は過去記事にしているので参考にしてほしい。
この全天候型PFの特徴は経済を四つの季節に分け、その季節に上昇する可能性の高い商品に投資をしてPFの下落のリスクに備える投資法です。
レイ・ダリオの唱える四つの季節とは
季節 | 概要 | 購入商品 |
---|---|---|
経済成長 | 想定成長より高い | 株式 社債 商品取引 金 |
経済停滞 | 想定成長より低い | 長期米国債 物価連動債 |
インフレ | 想定インフレ率より高い | 商品取引 金 物価連動債 |
デフレ | 想定インフレ率より低い | 長期米国債 株式 |
複雑に思えますが実は3つのETFに投資をするだけで全天候型PFを作れます。
私はポートフォリオはできるだけシンプルで簡単なものが良いという考えなので投資するETFもできるだけ少なく3つだけで作りました。
投資をするETF
ティッカー | 商品名 | 手数料 | 割合 |
---|---|---|---|
IVV | シェアーズ S&P 500 | 0.04 % | 40% |
TLT | シェアーズ 米国国債 20年超 | 0.15 % | 40% |
IAU | iシェアーズ ゴールド トラスト | 0.25% | 20% |
2005年1月〜2018年9月までのリターン
参考サイト「portfoliovisualize」
リターンは8.42%
リスクは7.91%
このファンドの特徴はあのリーマンショックの時でさえ-0.21%というトントンの水準で抑えられている。
株式市場が年-37%という暴落の中(・・・リーマンショックの時でさえドル建てだとこの程度だったのが驚きだが)
長期債のリターンが年33.9%、金5.11%と上昇していたためこのような結果を生んでいる。
今週の暴落でもNYダウは-8%ほどの暴落ですが、IAUは+1%、TLTは+2%となっておりポートフォリオは-2.2%に止まっています。
私は金投資には長らく否定的でしたがインフレ時に強い商品としてポートフォリオの一部に入れることは良いのではないかと思うようになりました。
ここ30年の長い金利低下でインフレ懸念はほとんど忘れられてきていますが、今後は世界的に再燃する可能性もあり得ると考えているからです。
少なくともこの20年金投資は結果として分散投資のリスク分散先の一つとして重要な役割をしていました。
レイダリオの考え方をより詳しく知るためにも本を読むことをオススメします。
上下二冊になっている本のウチ、レイダリオのPFが書かれている本です。
キンドル版も購入できますがこちらは二冊が一冊となっています。
このポートフォリオは株式・長期債券・金と一つ一つのリスクは高いのですが上昇と下落がそれぞれ違う局面で起ることが多く、高い波を打ち消すようにリスクが低くなるというのが特徴です。
このポートフォリオの問題点
このポートフォリオの最大の問題点はドル建てのアメリカ人向けのポートフォリオで日本人には最大の問題が解消されていません。
それは
円高リスクです。
もし今後もリーマンショックの時のような強烈な円高が来た時はドル建てで見たようなトントンとはなりません。
(しかしその辺は割り切って投資をするのも一つの手だと思います)
そこで日本人向けに日本の債券を組み入れて株式市場もより分散したポートフォリオを作ってみました。
商品 | 手数料 | 割合 |
---|---|---|
eMaxisSlin世界株投資 (三地域均等型) | 0.15336% | 40% |
eMaxisSlim日本債券 | 0.15012% | 40% |
iシェアーズ ゴールド トラスト | 0.25% | 20% |
S&P500をeMaxis Slimの日本・先進国・新興国株に均等ずつ投資をするより分散した商品に米国長期債を日本債券インデックスに変えました。個人的には日本も20年以上の長期債に専門に投資する投資信託が出てくれると嬉しいのですが現在はそのような商品がありません。また個人投資家向けの10年変動金利個人国債に変えてもいいと思います。
過去の暴落局面のマイナス幅
アジア危機 | ITバブル | リーマンショック | |
---|---|---|---|
PF | -7.2% | -11.1% | -24.2% |
eMaxis世界株投資 (三地域均等型) | -21.7% | 40.9% | -59.4% |
日本債券インデックス | +9.7% | +10.6% | +6% |
金 | -11.5% | +19% | +16% |
リーマンショックの時でも日本債券インデックス投信と金はプラスになってくれましたが、株安・円高にダメージを食らった日本は株式のリターンが-60%とドル建てとは桁違胃の暴落のため、このPFでも-25%となっています。
逆に言えばあの強烈な円高の時でさえこの程度のダメージで済んだと考えるべきかは意見が別れると思います。
ここで注意なのは
次どのような暴落が来るかはわかりませんが過去と同じような暴落が来る可能性は低いということです。
過去20年で起こった三回の暴落も同じように下がった相場は一つもありません。
次の暴落が必ず円高になる可能性もありませんし、アジア危機のように特定の地域だけ暴落するかもしれません。
またITバブルのように株式市場は暴落しましたが円安とREIT高が来るかもしれません。
今現在は円高は起こっていませんし、意外なことですがREITは底堅いです。(もちろん、今後円高とREIT安が起るかもしれませんが・・・)
まとめ
このレイダリオが提唱している全天候型ポートフォリオですが、もちろん今後も有効な保証はありません。
しかし長期的に高いリターンを上げるが短期的には値下がりが厳しい株式と景気後退局面やデフレに強い長期債、そしてインフレに強い金という3つに分散して投資をする方法は私は理にかなっているのではないかと思います。
また毎月の積立をほぼ行なっていない私のようなセミリタイアをしている人間にとって株式市場の暴落で大幅な資産減、リタイア終了だけは避けたいのでこのPFは結構セミリタイア向けではないかと思っています。
私はレイダリオが言った言葉が好きでそれを心に留めています。
それは
個人投資家のリスク許容度は本人が思っているほど高くはない、残念なことだが認めることだ。
投資で退場する者はリスクを顧みない傲慢さか無知だと思っています。
この言葉は全ての投資家が胸に刻むべきだと思う
個人的な考え方の変化としてはリターンはないが株式と違った動きをすることが多い金を投資対象として考えるようになったことですね。
また、株式は非課税口座で投資をすることを忘れないでください。
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参考記事