2024/11/06
私は基本はインデックス投資で運用をしていますが、一部を海外株式に当てています。
現在は台湾株を購入していますが、いずれはベトナム株やタイ株も現地の口座が開設できれば直接購入をしたいと考えています
今回、ホーチミンへ行った際に銀行をいくつか回ってきたのでベトナムの銀行の現状とベトナム株式について話をしたいと思います。
ベトナムの一年定期の金利は8%前後
ホーチミンにある株式取引所を見学しましたが、その周辺には沢山の銀行がありました。
ホーチミン取引所の場所
株式市場の象徴「ブル(牛)」と「ベア(熊)」の彫刻が入り口にあります。
中にあると大きなモニターがあるエントランスになるのですが一般人は中に入れないと言われました。
残念!
銀行金利は7%〜8%
周辺には沢山の銀行がありドン建てで8%前後あります。
ドル建てだとゼロと表示されています。
ドン建て8%の金利は本当に得なのか?
200万ドン=1万円として計算すると
2億ドン=100万円
20億ドン=1000万円となります。
20億ドンを定期で預けると年間1億6000万ドンの利息が付きます(税金等は考慮しないとする)
年間80万円です。
ホーチミンなら月5万円で生活ができますから金利だけで十分生活が可能となるはずです。
参考記事
本当にそんなことが可能なのか?
結論から言えば、現状ベトナムの金利はそこそこ美味しいと思います。
インフレが落ち着いてきているベトナム
海外投資や海外の銀行口座を開いて高い金利で貯金をすることが有利とされる記事を見かけますが、
当然ですが有利か不利かは一概には言えません。
ベトナムの金利が8%あるから金利がゼロの日本より有利とは限りません
通常インフレ率を差し引いた実質金利を見なくてはなりません。
その国実質金利を簡単に計算する方法
10年国債の利回りー1年定期の金利
ベトナムの場合
10年国債の利回り5.1%-定期の金利8%=2.9%
実質利回り2.9%ほど特になっている
大体ドン建てで実質りまわり3%ほどのリターンを得られると思えばいいと思います。
参考サイト
ベトナムの場合、国債利回りより銀行の貯金の利子が高く設定されていることが多いようです。
理由は不明ですが
資金需要が多い
銀行の信頼度が低い
などがあると思います。
ベトナムドンの桁数が物凄く多いことが象徴しているようにベトナムは長い間、高いインフレに悩まされてきた国でした。
しかしここ数年は物価上昇率も年4%前後に落ち着き、経済の成長が本格的に起こり初めています。
経常収支も長らく赤字でドン安=高インフレでしたが黒字化もしています。
実は同様の国としてインドネシア・インドがあるのですが、ベトナムはこの三ヶ国の中で経常収支が黒字化した国になっています。
この10年を見てもドン相場は落ち着いてきています。
ベトナムのインフレ率 3.57%
経常収支 対GDP比で4.1%と大幅な黒字となっています。
インフレ率もマレーシアより低く抑えられています。
(マレーシアのインフレ率は3.8%)
ベトナムに滞在してベトナムの銀行に定期貯金をしている方のブログには冷静な記事が書かれているので一読する価値があると思います。
東南アジアの国の銀行の金利はほとんどがインフレ率と同等な国が多く銀行に貯金することはインフレによる通貨の毀損を防ぐぐらいのリターンしかありません。
その代表がマレーシアの銀行です。
しかしベトナムは定期貯金の利息がインフレを上回ってそれなりに美味しい国となっています。
ただしベトナムのインフレ率低下は一時的なものなのか、また銀行の倒産リスク、社会主義ベトナムとしての国のリスクなどがありのでそれらを含めてのリスクプレミアムだとお考えください。
個人的にはベトナムで銀行口座開設は面白いと考えています。
最新のベトナムの銀行の利息はこちらで
今後インフレがこのまま落ち着いていれば銀行の預貯金の金利も大幅に下がる可能性がありますので注意してください。
銀行口座開設について
今回私は銀行口座の開設はしなかったのですがいくつか聞いてみましたが可能なようです。
ただノービザではダメで観光ビザを見せてくださいと言われました。
タイでは労働ビザがないと開けないと言われたのでベトナムはまだ甘いと思います。
次回観光ビザを持って口座開設をしてみたいと思います。
ベトナムの株式市場について
ベトナムの株式市場はエマージング市場にカウンタされていません。その下のフロンティア市場に入っています。
パキスタンやアルゼンチンが今年エマージング市場に入ったのですがベトナムが入らないのが不思議です。
その為、世界の機関投資家の資金はまだまだ入っていないのが現状です。
ベトナムには大きく3つの取引所があり
東証一部に当たる「ホーチミン取引所」
二部市場に当たる「ハノイ取引所」
店頭市場に当たる「UPCoM取引所」
この3つがあります。
取引所 | 上場企業数 | 時価総額 |
---|---|---|
ホーチミン | 371社 | 15兆3758億円 |
ハノイ | 374社 | 9517億円 |
UPCoM | 770社 | 198億円 |
合計 | 1515社 | 16兆3473億円 |
フロンティア市場であるベトナム株式市場ですが上場企業は無駄に多いです(笑)
店頭市場を含めると1500社以上・・ただし店頭市場は値段の付いていない銘柄も多く流動性に問題があるのでホーチミン市場だけ見ていればいいと思います。
総時価総額も16兆円ほどと日本最大の時価総額であるトヨタ自動車22兆円の一社よりも少ないという小さなマーケットです。
日本からベトナム株に投資する方法
日本から低コストにベトナム株に投資する一番簡単な方法はETFを購入することです。
銘柄 | 手数料 | 銘柄数 |
---|---|---|
ヴァンエックベクトル ベトナムETF | 0.76% | 30社 |
iシェアーズ MSCI フロンティア100 ETF | 0.79% | 117社 (ベトナムは20%ほど) |
SBI証券では200銘柄以上のベトナムの個別株に直接投資ができますが、円をドンに交換するレートと手数料が高過ぎてちょっと躊躇します。
ヴァンエックベクトル ベトナムETFは指数に連動していない?
私はこの記事を読むまで知らなかったのですがヴァンエックベクトル ベトナムETFは本来VN30指数に連動するETFですが全く連動していないとのことです。
外国人の投資規制がある為指数連動ができないとのこと。これも可能にするには直接ベトナムの証券口座を開設してベトナムで唯一の国産ETF「E1VFVN30」を購入する他ないようです。
VN30指数、時価総額上位10社
ティッカー | 企業名 | PER | PBR | 時価総額 |
---|---|---|---|---|
VIC | ビングループ | 56.22倍 | 3.76倍 | 1兆5700億円 |
VNM | ビナミルク | 24.96倍 | 8.67倍 | 1兆1260億円 |
VCB | コムバンク | 28.82倍 | 3.81倍 | 1兆600億円 |
GAS | ペトロベトナムガス | 18.92倍 | 4.09倍 | 9114億円 |
SAB | サイゴンビール・アルコール飲料 | 30.66倍 | 8.13 倍 | 6504億円 |
CTG | ヴィエティンバンク | 16.91倍 | 1.42倍 | 4654億円 |
MSN | マサングループ | 33.00倍 | 4.29倍 | 4614億円 |
VJC | ベトジェットエア | 13.11倍 | 6.91倍 | 3917億円 |
HPG | ホアファット鉄鋼グループ | 6.36倍 | 2.19倍 | 3843億円 |
PLX | ペトロリメックス | 21.44倍 | 3.47倍 | 3619億円 |
ベトナム株式市場の時価総額上位10社の合計は7兆3825億円、全体の45%ほどを占めています。
日本は上位10社の時価総額の合計がおよそ100兆円、時価総額700兆円で全体の14%ほどです。
このようにベトナムは一部の大型株に資金が集中しています。
VN30指数に連動する30番目の株式の時価総額はおよそ190億円ほどしかありません。
HSG ホアセン鉄鋼グループ
非常に小さなマーケットですから個人的には上位企業に投資をすればいいかと思います。
ベトナム版「ダウの犬投資法」
もちろん実行するのはベトナム版ダウの犬投資法です。
ベトナムの証券口座が開設できたらVN30指数に連動する企業30社の中から高配当企業10社を選ぶそれに投資をするシンプルな投資法です。
10年ぐらい前にはベトナムやタイなど東南アジアの企業に投資をする本が沢山あったのですが今ではほとんどありません。
現在購入できる最新のベトナム企業に関する本はこれだけだと思います。
10年前のベトナム株ブームの熱狂について書かれた橘さんの本
アジア株式の投資関連が全く発売されていないのが逆指数として今は買い時かもしれませんね。
まとめ
私は銀行口座より証券口座が欲しいので、証券口座があれば今は個別株だけでなくETFなども購入できるので債券市場にアクセスできる。
ベトナム証券口座の開設が可能なら今後開いて投資をしていければと思っています。
欲しい口座は
台湾証券口座とベトナム・タイの証券口座の3つです。
自分が住みたい国の口座を開いていきたですね。
それではまた!